月刊『薔薇族』編集長
伊藤文學の談話室

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ネット版伊藤文學のひとりごと

「祭」の幕は上がった!

 1976年(昭和51年)5月18日に、伊藤文學の談話室「祭」が新宿厚生年金会館のとなりのQフラットビル2階にオープンした。今から29年も前のことだ。

 それ以前に美輪明宏さんが「クラブ巴里」を廊下をへだてた向い側にオープンさせていた。壁もテーブルも、椅子もすべて薄いピンク色、自宅から運びこんだ豪華なアンティークの装飾品で飾りつけられていた。

 オイルショックのあとの不況の時代で、ビルの2階はお店用に作られていたが、借り手がなかった。オーナーの邱永漢さんと親しい美輪さんがまず店を出し、そのあとに、ぼくがお店を出すことを決意したのだ。

 ぼくがお店のオーナーであるということで『薔薇族』読者も安心して扉をあけることができるのではないかと考えたからだ。

 その頃、新宿2丁目にも数十軒のゲイバァはあったが、どの店も営業時間は夜に限られる。そうだ昼間から営業する店をだそうという発想が湧いた。そうすれば男女が喫茶店で出会うように、男同士でも出会える場になるのではと。

 読者の保利精作さんが、『薔薇族』のNo.43 8月号にこんなルポを書いてくれている。

 「5月18日、午後6時少し前、新宿厚生年金会館の向かって左隣、しょうしゃな白いビル、”Qフラット”の赤いカーペット敷きの廊下を2階に上がると奥の突き当たり、右手に美輪明宏さんの「巴里」、それに向かい合って、今夜オープンする「祭」がある。幕が上がる前の緊張した空気が開け放たれた扉口にまで溢れてきている。

 浴衣に祭半纏でピシリときめた中年紳士が受付けを預かっていたが、これがナント間宮浩さん。もう一人明るいチェックのブレザーにチョビヒゲの小柄な嵐万作さんが助手格で。

 定刻前、タクシーで駆けつけた伊藤文學氏に付添う奥様は紺色の紗のお召しをきりっと着こなし、どこのマダムかと見紛うばかりの変身ぶり。

 会費を払って創刊5周年記念号(7月号)の『薔薇族』と記念品を貰い中に進むと、上野駅前の文省堂書店や、作家連から贈られた薔薇や、しゃくやくの花束が飾られて、華やいだサロンに開店を祝いに集まった男たちがたむろし、初めは人見知りのぎこちなさもあったが飲物がいきわたるにつれて会話も弾み、和風に統一されたサロンの提灯が熱気にゆれる。

 余興の流し演歌40年の阿部徳二郎さんの喉に百人を越す仲間も入れ替わり唱和したので近所から騒音公害だと文句が出て、おまわりさんが遠慮がちにかけつける一幕もあった」とオープンの日の熱狂ぶりを伝えている。

 それからの「祭」の盛況さはものすごかった。この時代の熱気を時代がかわった今、ネットで再現させようと考えた。このお祭広場にみんなが集まって、意見を交換し、少しでもゲイの世界が向上していくようにして行きたい。

 さあ諸君!伊藤文學の談話室「祭」の扉を開けよう!◆ブログ版「祭」はこちらから

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